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1.飼養施設、用具及び環境(規則第8条第4号ニ、ソ関係)

(1)飼養施設、用具
飼養施設は、動物の大きさや習性に応じた十分な広さを備えたものを用意しましょう。排せつ施設、隠れ場、遊具等も必要です。また、清掃等が容易で、逃げ出したりしない構造のもの、突起物等により障害等を受けるおそれがないものを選びましょう。

○犬舎、首輪、リード、食器、水入れ、寝床、トイレ、ブラシ、遊び道具など

 

(2)清掃等

動物の健康と安全を守るため、定期的に掃除や消毒を行い、適切な衛生状態を維持しましょう。

○トイレの清掃は1日1回以上、犬舎や食器の清掃は汚れの程度を見ながら必要に応じて実施

 

(3)環境

適切な日照や通風等の確保を図り、適切な温度や湿度が維持された飼養環境を確保しましょう。

○屋外で飼う場合:

1.南向きで風通しのよい場所を選ぶ

2.迷惑・危害防止等のため、できるだけ家族のいる近くに置き、道路側等外来者の出入の多い場所は避ける

3.強い日差しやノミ・蚊から守る

4.鎖につなぐ場合でもなるべく動きを制限しないよう工夫する

5.犬舎の周囲は清潔に保つ、6.鳴き声やふん尿により迷惑をかけない場所を選ぶ


○屋内で飼う場合:

1.危険物や毒になるものの管理をしっかりする
(また、室内での排便・排尿のしつけをするとともに、できる限り不妊・去勢手術を行うことにも留意)

 

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2.食事と栄養管理(規則第8条第4号ホ関係)

動物等の種類や品種、発育状況等に応じて適切に給餌・給水を行いましょう。

 

(1)食事の種類
○ドッグフード(総合栄養食)や自家製の犬専用の食事(必要な栄養が人とは異なるので注意が必要)


(2)食事の回数や量
○1日2回(幼齢時は4?5回)。量は、体重あたりの量を基本にして、犬の体重の変化や体の調子、便の状態などを見ながら調整


(3)飲み水
いつでも新鮮な水が飲めるように、きれいな容器に入れて置いておきましょう。


(4)注意すること
動物によっては、与えてはいけない食べ物があるので注意が必要です。また、与え過ぎによる肥満も、動物の健康にとっては好ましくありません。

 

1.人の食べ物は欲しがっても与えないこと。犬と人とは体のつくりや必要な栄養バランスが違うので、病気の元となるとともに、しつけの上でもよくない。
2.食事は時間を決めて与え、残したときはすぐに片付けること。食べ残しを放置すると腐敗し、衛生上よくないとともに、いつでも好きなときに食べられる状況はしつけの上でよくない。
3.魚の骨や鳥の骨、チョコレート、タマネギ、ネギ類は与えないこと。魚や鳥の骨は腸を傷つけることがあり、タマネギやネギ類は、死に至る重症の貧血を起こすことがある。また牛乳は下痢をすることがある。

 

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3.運動及び休養(規則第8条第4号へ関係)

運動の習性等に応じた必要な運動、休息及び睡眠を確保するようにしましょう。

 

1.犬が健康に過ごすためには毎日の散歩が必要。飼い主のライフスタイスに合わせて、一定の時間帯に散歩をする。ただし、犬は汗をかけず、焼けた路面で火傷をする場合もあるので、夏場の暑い時間は避けること。
2.必要な運動量は、品種、年齢などによって異なる。大まかな目安として、小型犬で朝夕10〜20分、中型犬で朝夕20〜30分、大型犬で朝夕30〜40分。なお、子犬や老犬には無理をさせないこと。
3.散歩の時は必ずリードにつなぎ、ふん処理の道具を携行して持ちかえること。排せつを済ませてから散歩に出るような配慮も必要。

 

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4.しつけ(規則第8条第4号ソ関係)

動物が家庭や人間社会のなかで一緒に生活していくためのルールを教えることがしつけです。訓練や芸をさせることではありません。しつけのコツは叱るのではなくほめ、それもできたらおおげさにほめて教えることと、根気よく教えることです。体罰、大声、おどしは絶対に避けるようにして下さい。

1.基本は、人が常にリーダーシップをとって犬の行動をコントロールすること。そのためには、犬に主従関係をしっかり認識させ、理想的には犬は家族の最下位に位置するよう接すれば、家族の要求に従う犬に育つ。
2.基本的な号令には、オスワリ、フセ、マテ、オイデ、ツケなどがある。

 

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5.手入れ(規則第8条第4号ソ関係)

動物の健康を保つためには、日頃の手入れは大切です。体内をくまなく触ることは、病気や異常の早期発見につながります。また、飼い主が犬の体をくまなく触ることは、スキンシップを図るとともにリーダーシップを示すことにもなり、しつけのトラブルの未然防止にもなります。


1.ブラッシング:汚れや抜け毛を取り除き、つやのある毛にすると同時に、皮膚の血行をよくする。運動の後に、まず毛並みに逆らってブラシをかけて汚れを浮かし、次に毛並みにそってブラッシングしてやる。特に、毛の抜け替わる時期には、たんねんなブラッシングが必要。長い毛の犬はブラッシングを怠ると、毛玉ができて手がつけられなくなってしまう。また品種によっては定期的なカットが必要。
2.シャンプー:回数は飼う場所や毛の長さなどによって異なる。一般的には1ヶ月に1回程度。
3.つめ切り:室内飼いの小型犬はもとより、十分に散歩をしている犬でも親指のつめは地面につかないので伸びてしまう。伸びすぎたつめを放置すると、毛布などにからまり、つめを折ったりはがしたりすることがある。
4.耳の手入れ:耳の中のチェックが時々必要。健康な犬では、耳垢はわずかでほとんど臭わない。臭いがきつかったり黒い耳垢がたまっている時は、獣医師に相談が必要。綿棒などでのふき取りは、耳の粘膜を傷つけ、汚れを押し込むことになるのでよくない。
5.歯の手入れ:犬用の歯ブラシや、ガーゼを巻いた指で歯と歯茎をこすってやる。奥歯の外側が、歯石のつきやすい場所。歯石を放置しておくと歯肉炎、歯槽膿漏と病気が進行する。歯が悪いと口臭がきついばかりでなく、心臓や腎臓などの病気の原因になるおそれが高くなる。

 

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6.病気(規則第8条第4号ト関係)

(1)かかりやすい主な病気

動物の種や品種によりかかりやすい病気があります。
1.腸管内寄生中症(回虫、鉤虫、条虫など):下痢や食欲不振などが主な症状。放っておくと死亡することもある。多くは便の虫卵検査で診断。寄生虫の種類に応じた駆虫薬の投与により駆虫できる。
2.パルボウイルス感染症:おう吐、下痢が主な症状。子犬では発病してから1〜2日のうちに死亡。予防ワクチンがあるので、生後2〜3ヶ月になったら接種する。
3.犬フィラリア症:そうめん状の細い虫が心臓や肺動脈の中に寄生する病気。蚊に刺されることで感染。寄生数が多いと心臓の機能に障害を与え、放っておくと心不全で死亡することもある。

 

(2)人と動物との共通感染症

動物から人へ、人から動物へとうつる病気を、人と動物との共通感染症といい、200種類以上あるといわれています。主な共通感染症及び犬にかかりやすい感染症には、次のようなものがあります。
・犬:パスツレラ症、皮膚糸状菌症、回虫症、狂犬病など
・猫:猫ひっかき病、トキソプラズマ症、回虫症、Q熱、狂犬病など
・ウシなど:Q熱、クリプトスポリジウム症、腸管出血性大腸菌症など
・サル:Bウイルス病、細菌性赤痢、結核など
・ネズミ:レプトスピラ症、ハンタウイルス肺症候群、腎症候性出血熱など
・鳥類:オウム病、高病原性鳥インフルエンザ、ウエストナイル熱など
・ミドリガメ等:サルモネラ症など


1.狂犬病:感染した犬などの動物に噛まれてうつる恐ろしい病気。温血動物は全て感染する。現代でも治療法はなく、人も動物も発症すると100%死亡。日本では昭和32年以降流行はないが、世界では現在でもほとんどの国(地域)で発生し、年間3万人以上の人が死亡。
2.皮膚糸状菌症、かいせん症、白癬菌症:糸状菌(カビの仲間)やかいせん(ダニの一種)による皮膚病は、人にもうつることがある。また、人の水虫(白癬菌症)は人から犬にうつることがある。
3.エキノコックス症(多包状虫):本来、キツネとノネズミの間で感染している寄生虫病。犬はノネズミを食べることで感染、ほとんど症状を示さない。虫卵が人の口に入ると、子虫が肝臓などに寄生して、長い年月の後に肝障害などの症状を起こす。流行地は北海道なので、犬をつれて旅行する時は、犬がノネズミなどを食べないように気をつけることが必要。犬に寄生したエキノコックスは薬で駆除できる。

 

(3)健康管理と予防方法
動物がかかる病気は、感染症、腫瘍、生活習慣病など人と同じようにたくさんあります。病気を早期に発見するためには、常に元気・食欲・尿や便の状態などに注意していることが必要です。良いホームドクター(獣医師)を決めて、様子がおかしいときは早めに受診しましょう。なお、病気になったときにあわてるより、普段からバランスのとれた食事や適量の運動に気を付け、ワクチンや薬で予防することが一番なのはいうまでもありません。
また、共通感染症を予防するためには、口うつしで食べ物を与えるなどの過度の接触をしない、ふんや尿は早めに処理をする、動物の体や生活環境を清潔にする、動物の体に触れたりふんや尿を扱った後はよく手を洗う、などのことを守り、衛生的な飼い方を心がけていれば、必要以上に恐れることはありません。そして、普段から動物の健康状態に注意して、具合がおかしいと思ったら、早めに獣医師に相談してください。

 

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7.不妊・去勢措置(規則第8条第4号チ、リ関係)

飼養頭数が増えて、適切な飼養管理ができなくなってしまった場合には、動物を劣悪な飼養環境下に置いて虐待することとなるだけでなく、人に迷惑や被害等を及ぼしたり、遺棄や虐待等の違法な事例を発生させることとなります。

動物が繁殖し、繁殖数が増加しても適切に飼養できる場合以外は、できる限り繁殖を制限するように努めましょう。繁殖を制限する主な方法としては、去勢手術(数千〜数万円)、不妊手術(数万円)、雄雌の分別飼育などがあります。不妊去勢手術は、一般的には大人になる前に行う方が望ましいとされており、その効果としてはみだりな繁殖を防止するだけでなく、性格が穏やかになってしつけがしやすくなること、発情期のストレスを軽蔑できること、子宮蓄膿症等の病気を予防できること等があげられています。なお、デメリットとしては肥満やホルモン失調が認められる場合があること等があげられています。

 

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8.その他(規則第8条第4号ソ関係)

○子犬の時に親兄弟と過ごした経験は大切であることから、子犬を親兄弟とは別に飼う場合は、ある程度大きくなってから(社会化期が過ぎてから)が望ましいといわれています。
○個体識別と終生飼養:マイクロチップ等による個体識別措置による所有者の明示と終生飼養は、飼い主の愛情と責任のあかしです。
○本文は必要最小限のことについて記載したものです。飼養保管方法の詳細については、専門の飼育書等をご参照下さいますようお願いします。

 

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